おみその脳みそ

猫や時事ネタや、ネトゲや仕事で使えるコミュニケーション術を扱います。

エセ科学用語だった「ゲーム脳」その2~完~

実はエセ科学だったゲーム脳
以前の記事の説が森教授の主張の一端でしたが、実際はどうだったのか。
すこし迫ってみたいと思います。

【定着したゲーム脳
そもそも私が改めてゲーム脳について改めて提言したくなったのは、ゲーム脳の意味を風化させたくないというのと、

α波とβ波の定義が違う"点についての誤認が最近耳にしたときに事実になってしまっていたことに憤りを感じたからです。
2002年発表のゲーム脳という言葉が完全に定着しているのです。

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(©ゲーマーは、動いている物体を~(略)


ゲーム脳に対する反論】
私の愚痴をいってもしゃあないので、α波とβ波の定義の誤認について、
反論をwikiより孫引きします。

  1. α波を「徐波」と呼ばれる異常な脳波としているが、α波・β波ともに正常な脳波で、いかなる場合も「徐波」とは呼ばない。
  2. α波・β波は、本来、目を閉じたり開けたりした程度で簡単に入れ替わる。α波・β波それぞれの大小で単純に脳の状態を判別できるものではない。
  3. α波に対してβ波が低いことを「痴呆症(認知症)」とみなすのは森が独自にとなえている説で、認知症にかかわる臨床医にとって事実ではない。

どうでしょう。
嘘定義の元に論題が進行していき、あーでもない・こーでもないって、もうほとんど新興宗教と同じだと思いませんか。

しかも、脳波の測定は森教授の作った簡易装置で行われており、脳波そんな簡単に引き出せるわけないんだよ!というのが医学界からのおことば

エセ科学は良くて、新興宗教はキモがられる。この差は言葉の表面上の響きのせいです。

*よまなくていいやつ*

さらにそこに”科学用語”という一般人には確かめるのがめんどくさい、しかしそれらしい定義があるせいで、エセ科学は何となく突っ込みづらい分野になっております。一度放たれたトンデモ論理は、誰も突っ込まず、面白さだけが先行し、みんなが信じるハメになったのです。

「おまえら、目をひらけ!ソースを調べろ!」

何でも鵜呑みにする人たちに大きな声で言いたいけど、言えないのでここに書いちゃう私は残念組です。
少ない被検体によって仮説を押し出し、医学分野からの提言もなしに論を展開したエセ科学こそ彼の言う「思考停止状態」のゲーム脳じゃないかといいたいですね。それは言い過ぎとして。

おみその心のさけび終わり

ここで確かめたいのはα波とβ波ってなんぞやって思いますよね。

私は全く医学に精通していないし、科学にも疎いですが、反論がこんだけ出て大ブーイングが起きてるということはそれに基づくおかしな点があるってことはわかります。

【実際のα波とβ波】

まず、私も混乱してきた事項ですが、脳波のうちα波とβ波は混在しない点に注意していただきたいです。

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(©α波とは

森教授の言う「β波が下がり、α波とほぼ同一値をだす」というのが、真実だとすれば「リラックスしている状態」に近づいているということです。

言い換えるならば「ゲームをしたことで被験者は脳波の周波数帯域が下がった」という方が正しい表現だと言えます。

むしろ、脳波の周波数帯域が高い(β波)というのは

β波の状態とは緊張や心配事でストレスが生じる状態で、この状態が長い間続くと、ノルアドレナリンやアドレナリンという毒性のホルモンが分泌され、様々な病気が発生する要因になります。
人間は怒ったりストレスを感じたりすると、脳からノルアドレナリンという物質が分泌されます。また恐怖を感じる時にはアドレナリンが分泌されます

©2008 energyban

と説明されることからもわかるように、ストレスを感じている状態に分類されることが多くあります。

集中することが必要な場面で緊張を保つためには必要な状態だとも言えますが、むしろリラックスを目的とした分野では脳波周波数帯は下げることに重きがむけられるのではないでしょうか。

当然の結果をあたかも異常のようにとりあげたこと自体が恐ろしいもんですね。

【私見】

Massimo Barbieri 、Any idea?)


脳波が暴かれ、ゲーム脳のとんでも理論が打破される一般的な話をここまでやってきましたが、最後に私見をば。
β波を下げ、α波を放出するのは脳のリラックス状態を生み出すので、身体に良いという意見も散見されますが、その目的のためにゲームをすることが恒常的になるのもいかがかと思います。

当然のことですが、なにごとも度を過ぎるのは森教授の懸念する思考停止ゲーム脳になると思います。真のゲーム脳とは単純作業によるα波中毒になっている状態ではないでしょうか。

β波は新しいことに出会うときに刺激され、脳の動きを活発にさせます。ストレスによる刺激ではなく、脳の精神作業をかさねて賢く歳をとりたいですね。